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気付きの言葉COLUMM

イノベーションと改善の違い

 2年前にようやくガラケイからアイフォーンに変えてみて、その便利さに驚きました。もう一度ガラケイに戻りたいとは思いません。

 

 まだ使いこなせていない機能がたくさんあって、少しでもそれを教えて貰えたときには非常に得した気分になります。まだガラケイにこだわっている方には早く切り替えをされることをお勧めします。基本的な機能を覚えるのは簡単です。電池も結構長持ちします。

 

 何故これほど便利なものを作ることが出来たのか不思議に思っていました。

 

 その革新的イノベーションの精神や方法論を知りたくてアップル社の創業者であったジョブズのことを書いた、「人生を変えるスティーブ・ジョブズのスピーチ」(ゴマブックス社発行、国際文化研究室編)という本を読みました。

 

 なるほどと感じたのはイノベーションの重要性について話したくだりです。

 

 「美しい女性を口説こうと思ったとき、ライバルの男がバラの花を10本贈ったなら、君は15本贈るかい?そう思った時点で君の負けだ。」

 

 ものづくりの現場では、改善することも重要な要素であることは間違いありません。しかし、ジョブズは改善ではなく、イノベーションを重視しています。この言葉は、そのイノベーションと改善について、iMacの開発当時に述べた言葉です。この言葉の続きには「その女性が本当に何を望んでいるのか、見極めることが重要なんだ」となります。つまり、ジョブズはライバルの動向を気にして、ライバルより「少しだけいいもの」を作るだけではなく、世の中が思いつかないような、新しいものをイノベーションすることが重要だと考えていたのです。

 

 また、スタンフォード大学学位授与式でのスピーチは心を揺さぶるスピーチでした。人生から学んだ3つの話をしますと前置きして、1つ目は「点と点をつなげること」、2つ目は「愛」と「敗北」について、そして3つ目の話は「死」についてです。その中から3つ目の話を一部抜粋します。

 

 『17歳のとき、次の言葉をどこかで読みました。「毎日、それが人生の最後の日だと思って生きれば、いつか必ずそのとおりになるだろう」これは、私にとって印象的で、それ以来、これまでの33年間、私は、毎朝、鏡を見てそして自分自身に問いかけています。「今日が人生最後の日だとしたら、今日しようとしていることは、やりたいことだろうか?」「ノー」という日が、あまりにも長く続くようなら、何かを変える必要があるとわかります。あらゆるものはまもなく死んでいくということを意識することは、重大な選択を迫られたときの最も重要なツールです。なぜなら、ほとんどすべてのもの ― 外部からの期待、プライド、屈辱や失敗に対する不安、これらは死に直面したとき、本当に重要なもののみが残るからです。死に向かっていると意識することは、何かを失ってしまうという考えに陥ってしまうことを避ける最善の方法です。あなた方はすでに丸裸なのです。心に従わない理由はないのです。』。

 

 いかがでしょうか?ジョブズは仏教関係の本を何冊も読み、日本の禅についても興味を持っていたことは、よく聞くところでしたが、こんな死生観を持ち続けていたからこそ、多くのことを成し遂げることが出来たのだということが分かりました。

 

 我々のような凡人には到底考えの及ばないことと思うことは簡単ですが、年頭に当たり今年はそう意識することも悪くないなと感じました。

 

税理士・中小企業診断士 安部 春之