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気付きの言葉COLUMM

背骨を折ってみて分かったこと

 私事ながら、反省の意味を込めて紹介したい。6月10日に田舎 (福井県小浜市) で法事があったため帰省した。昼過ぎに帰ったので法事の時間にはまだ早く、長兄から、「梅をとって持って帰れ」と言われ、次兄と甥と三人で梅をとり出した。私は脚立を使って上の方の梅をとる役だ。30分程経って腰の梅の入った籠も少し重くなりかけたときだった。少し足場が悪いのを承知の上で脚立に登った。倒れそうになれば飛び降りられる位の軽い気持ちからだ。

 

 脚立の四段目か五段目位にいたときに脚立が傾き出した。脚立からは手を放せたものの飛ぶことができず、身体斜めからまともに落ちた。下は畑土なので外傷はない。動けないほど痛かったものの、軽い捻挫のつもりでいた。

 

 2時間ほど様子をみたが、一向に回復のきざしがなく、近所の整形外科でレントゲンをとると、胸椎の圧迫骨折ということだった。

 

 車の助手席に座っている分には、痛みも多少ましだったので、痛み止めを飲んで、そのまま神戸まで家内の運転で帰ってきた。急ブレーキがかかると背骨に堪えるという試練に耐えながらも、何とか家に辿りついた。

 

 翌日曜日と月曜日は痛いので痛み止めを飲んでそのまま過ごし、火曜日にお客様のところの整形外科に行った。今からギブスを作るから、壁に手を伸ばして真っすぐに立つように言われ、痛みで飛び上りそうになりながら、言われたようにすると、ガーゼの包帯を腰から胸まで何重にも巻く。そして水に濡らして5分ほどすると、カチカチのギブスが出来上がった。なんという技術なんだ、すばらしい!その日から3週間、仕事を休んでひたすら寝た。最初の頃は昼間にこんなに寝たら夜は寝られないだろうというくらい寝たもののその心配は全くなく、夜は普通に寝られた。ギブスの効果は絶大で、寝返りを打っても全く痛くない。

 

 ただ調子に乗り過ぎて痛い目にあった。10日ほど過ぎた頃だ。少し腰を伸ばせば届く位置にある炊事場の換気扇のスイッチを入れようとして、背骨がこすれ激痛が走った。すぐさま横になったものの痛みは治まらない。夜も遅く、痛み止めの在庫もない。家内がどこか開いている店を探しに行くと言うが、いなくなると不安だ。顔から脂汗が出る。これ以上痛くなったら救急車を呼ぼうかと考えていたときだった。息子と連絡が取れ1時間ほどで痛み止めの薬を届けてくれるという。安心とじっとしていたことが幸いをして大事には至らずに済んだ。人生初めての経験なれど、あまりにも痛いときには誰かにそばにいて欲しいものだと痛感した。

 

 3週間経過したので、再度車イスで通院をしてギブスをはずして貰った。代わりにコルセットをつけて貰う。レントゲンの結果骨は回復していると言われた。腰のあたりの筋肉が長い間寝ていたので硬くなっているということでブロック注射をして貰った。これで直ぐ良くなるはずだとのこと。おそるおそる聞いてみた。来週から海外に視察旅行に行きたいのですが無理でしょうか?松葉杖も用意しました、できれば行きたいのですが・・・ (旅程は内緒で)。先生曰く「大丈夫ですよ。松葉杖なんか要りませんよ」「さらしを巻いてその上からコルセットをしておけば大丈夫です」

 

 その通り。2日したら普通に歩けるようになった。視察旅行も無事終えることができた。

 

 ここで身を挺しての教訓を一つ。まず 、歳をとったら飛び降りられない。ある程度走れる自信があっても飛ぶことは別物だ。仮に飛べたとしても骨は脆くなっていて、持ちこたえてくれない。骨をいたわる歳なんだと骨身に沁みた。

 

 

税理士・中小企業診断士 安部 春之