《日 時》 平成20年1月23日(水)
《講 師》 千房株式会社  代表取締役 中井 政嗣 氏
《テーマ》

−裸一貫お好み焼きで年商55億円−

無印人間集団が業界の雄になった!

 はじめに

大阪南の千日前に本店を構える、お好み焼き「千房」。豊臣秀吉の馬印、千成瓢箪が名前の由来である。直営店は国内外を合わせて56店舗、従業員789名を抱える。半数以上がアルバイト・パート・フリーターである。当初、お好み焼き屋に職業として携わることに恥ずかしさ、嫌だという思いがあった。自分自身が嫌なのだから、従業員が集まるはずがない。そういった思いから「従業員が胸を張って、自信をもって働いてくれる、いいお店を作ろう。企業をつくろう。」と頑張ってきた。

「外食」産業は「共育」産業

 創業当初から従業員には、学歴・学業成績・身元保証を一切問わなかった。学歴・学業成績は問われない代わりに、徹底的に人間性・人柄が問われる商売だからだ。「比べず、焦らず、諦めず」この3つを信条に、従業員と共に自分自身も育ってきた。「共育」である。今もその姿勢は変わっていない。
 「花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 根は見えねんだな」(相田みつを著『にんげんだもの』より引用。)根は考え方、感じ方、捉え方、人間性、価値観、人生観である。これらは目に見えないが、考え方・捉え方は行動になってあらわれる。根が腐っていては花が咲かない、実はならない。

 

独立するにあたって

独立するためには、お金が必要だった。兄から教わったのは「お金は使わんかったら、たまる」ということ、そして「金銭出納帳をつける」ということ。この金銭出納帳が、後の千日前本店に出店する際、信用力となり大きな役に立つのである。
また、5年間の丁稚奉公の間に耐えることを学んだ。貧乏人は、辛抱することを知っている。ものを大切にすることを知っている。 人のありがたさ 感謝する心を知っている。

目標とは・・・

私には昔から目標があった。目標とは、「行き先」である。目標を持たないで努力をすると、努力が目標になってしまう。目標を掲げてそれに向かって努力すると結果が出る。また、目標の前には予算がある。予算は必達であり、予算の上に目標がある。背伸びして届くものが予算であり、ジャンプして届くものを目標という。

継続は力なり

21年間、全従業員の給料袋にメッセージを入れ続けている。何事も続けたら本物になり、本物は続く。知らないよりは、知っているほうがいい。しかし、知っているよりもやっているほうがいい。知っているは1の力だが、やっているは10の力、そして続けることは100の力になる。

「今日までのことは、もうええやんか」

非行少年・少女の採用時には「今日までのことは、もうええやんか」と、他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えることができる。良いことも悪いことも、全てなるべくしてなっている。うまくいくのもいかないのも、自分が一番良く知っている。人間は環境で育ち、運命はその人の性格によって決まる。性格は環境によって変わり、人間の価値は行動によって決まる。実行することが何よりも大事。ピンチは逃げられないもの、ピンチは逃げたら永遠にピンチのまま。謙虚に受け入れて、悔いが残らないようにやれることをやる。素直になって思うだけでなく、形にあらわすこと、行動に起こすことが大事。
「やってみなはれ。」やったら続けていく。続けたら本物になる。本物はつづくのだから。

K・T
 
 
ホーム