《日 時》 平成24年11月27日(火)
《講 師》 ミャンマー連邦共和国大使館公認西日本ビザセンター            代表理事 経済投資アドバイザー  栢下 邦彦 氏  
《テーマ》


激動のミャンマー情勢の真実

〜中小企業にもビジネスチャンスがあるか〜

1.なぜミャンマーなのか

 これまで日本企業が依存してきた中国(特に湾岸部)は、人件費が高騰しており、チャイナプラスワンの必要性が言われてきています。その中で特に、安い人件費を求める傾向にあります 
 また、ミャンマーは石油、天然ガス、タングステン、すず、金、レアメタル等、豊富な資源がある国です。
 そして識字率が高い国です。ミャンマーには学校はありませんが、寺子屋方式により、日本語、英語、PC教室などがあります。 2003年以降は、周辺国に天然ガスを輸出することなどにより、貿易黒字になっています。
 さらにミャンマーでは日本製の食品が多く販売されており、また日本車が月1万台売れているなど、親日国でもあります。
 このような点から、今ミャンマーは大きく注目されています。



2.国の概要

 ミャンマーは、2003年まではアメリカによる経済封鎖を受けていました。その間は、中国、タイ等の国境隣接国の支援によりインフラ改善(特に電力)が行われてきました。そして民主化がなされ、オバマ大統領就任以降はアメリカが段階的に経済封鎖を解くようになり、また金融政策による通貨の統一がなされました。
 またミャンマーは、国境がインド、バングラディッシュ、ラオス、中国、タイに隣接しており、周囲に多くの国が存在するため、国境貿易については高いポテンシャルを秘めています。南アジア(インド)と東アジア(中国)及びASEANの中心に位置しており、周辺には30億人のマーケットがあると言われています。
 一方でミャンマーは135もの少数民族が存在する国であるため、反政府系の少数民族も多く、国家として1つになる過程でもあり、宗教問題が残っています。



3.チャイナプラスワン

 現在、中国の人件費は大きく高騰しており、またベトナム、インドネシア、ラオスといった周辺のアジア諸国の人件費も高騰してきています。中国においては、労働力不足の問題もあります。その中でもミャンマーの人件費は周辺国に比べまだ低い状況です。
 縫製業におけるミャンマーへの直接投資額は年々上昇傾向にあり、今後アメリカが進出してきた場合には、更に大きく上昇すると思われます。これにより、人件費も上昇していく可能性があると思われます。



4.ビジネスチャンスがあるか

 ミャンマーは石油資源があるにもかかわらず、石油製品の多くは輸入に頼っています。これは石油があるにもかかわらず技術がないため開発できないということが理由に挙げられます。このような点にビジネスチャンスがあるのではないかと思います。
 縫製業においては、原材料は中国から輸入しており、靴製品においても、原材料はタイから輸入しています。したがって、ミャンマーで加工することは可能です。
 物流面では、日本がアジア開発銀行を通じて、東南アジアの統一経済圏として進めているプランである経済回廊があります。これはトラックの荷物の積み替えがスムーズにいくように、出入国手続きを簡素化し、通関の整備をしているものです。この経済回廊を使い、原材料をミャンマーへ、製品をベトナムへ運ぶという流れができます。
 またミャンマーのGDPは年々上昇しており、今後も伸び続けます。消費の爆発が起こっており、今後も大きく拡大しています。
 一方でミャンマーの既存の工業団地は既にいっぱいになってきており、ここ1年で新たな工業団地が増え、経済特区が大きく変わります。2015年には大企業が移行してくるため、中小企業は、いかにその隙間にぬって入るかがポイントとなります。また、これからは現地人の中間管理職の育成が問題となります。
 上記以外にも非常に詳しく教えていただきました。  



記事担当 谷口 祐麻
 
 
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