「第47回 経営研究会」          

日 時: 平成13年1月16日(火) 
講 師: 竹内日祥上人(宗教法人妙見閣寺代表役員、経営人間学講座主宰)
テーマ: 「激動の時代を生き抜くリーダーの条件」
講演内容:
 @現代という時代
時代は
60年ごとに上元、中元、下元の3つが繰り返され、現在は下元の18年目だそうです。上元、中元ではそれぞれ政治、経済が時代のキーであり、秩序が安定した時代で、「能力」のあるものがもてはやされ成功する時代でした。一方、下元の60年間は乱世であり、秩序を意図的に壊して新しいものを作り出していく時代で、「思想」言いかえるなら「価値観」が時代に要請されているそうです。

 A能力と思想
 では「能力」と「思想」の違いは何でしょうか。「能力」とは知識や技術であり、近代合理主義の下これを伸ばす教育だけが行われてきた結果、知識は多いがものごとを批判的に見る、要領がいいが故の無責任な器量の小さい人間が増えたそうです。
 一方、他人の言葉に素直に耳を傾け、相手の立場になって理解しようと努力することで自己の低い価値観に気づく、これが「思考」で、多様な価値観を受け入れる器の大きい人間になれることで、初めてものごとを深く思考することができるというのです。

 B企業トップと価値観
 人間は価値観の高い人に出会うと、その人をまず好きになりそれが増大して尊敬に変わり、自分がリスクを背負ってもその人に尽くしたくなるそうです。
このことを利用して、企業トップが「思想」を勉強し、高い価値観に基づくビジョンを社員に示すことが出きれば、本来異なる価値観を持つはずの社員を一つにまとめあげることが可能となるのではないでしょうか。

最後に事業を成功に導いてくれる要件として、「仕事に対する情熱、自分についてきてくれる人に対する責任、この世に生まれてきて自分に与えられた使命」の3つを上人は挙げられました。そして「ビジネスは本当に厳しいものだが、そのビジネスこそが人間を真の意味で成長させるのだから」と温かいエールを贈って下さいました。
 乱世の時代にあって、その激しい変化に柔軟に対応していくには、従来の価値観を疑ってみることが必要です。自己破壊の道具としての「思想」をこの機会に一度見つめなおされてはいかがでしょうか。

                                   K・S





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