売れるかどうかの判断術 ものが売れない時代といわれて久しくなります。その中で自社の商品・サービスが“売れるかどうかの判断”は、経営の中でまぎれもなく最重要課題となっております。 一方でそのスキルを教えてくれるところがないのが現状で、「顧客満足」を掲げながら自己のアイデアに固執した、ひとりよがりの商品開発にとどまっている会社が多いのではないでしょうか? 伊吹先生が広告代理店で長年にわたるセールスアイデアの研究の中で培ってこられた、ヒット商品を開発するためのノウハウが「苦情法」と「着眼法」で、これを実践することで“売れるかどうかの判断技術・眼力”を養うことができるそうです
苦情法とは 苦情法とはその字の通り“積極的にお客様に苦情を聞きに行く”ことでニーズを拾い出し、商品開発に役立たせる手法のことです。 顧客の苦情を親身になって聞いてあげ、それを商品の改良・サービスの向上に結びつけることができれば、その顧客が満足するだけでなく満足した顧客は何倍もの別の顧客を引き連れてきてくれるのです。 苦情とは“遠まわしの購買予約である”といわれるのはこのためでしょう。
着眼法とは “成功した商品や人を平常から注目してよい点を素直に見習う”という手法で、ヒット商品は「発想力」ではなく「判断力」にかかっているという事実が前提にあります。 頭の中からひねり出すのではなく、現実の世の中から売れているアイデアを拾い上げるのです。売れる商品のウォッチングを根気強く続けていくと、机上の知識だけでは分からなかった“売れるかどうか”の基準が不思議なくらい分かるようになり、自分の目と足を使ってつかんだ“生きた情報”に基づいた「判断力」の伴った商品開発が可能になるのです。
人育て術と苦情法・着眼法 企業がヒット商品をつくる一番の早道は“売れるかどうかの判断力のある人”を育てることにあるそうです。言いかえるなら“ニーズをつかめる人”を育てよということです。 そのコツは「教えない教え方」を使うことで、上から一方的に教えるのではなく、社員の目と足を現場に向かせることで“世の中の事実”を学び取らせるのだそうです。世の中に社員を育ててもらうのです。 “百聞は一見に若かず、百見は一験に若かず”です。現場主義・体験主義を徹底させることで「お客様のニーズは何か?この商品で本当に売れるのか?」の意識を持ち合わせることができるようになります。苦情法的・着眼法的な行動を全社員が取れるような社風を、トップ自らが心がけて作るよう努力する必要があるそうです。