《日 時》 平成14年2月26日(火)
《講 師》 金融コンサルタント 村本 観 氏
《テーマ》 −いよいよペイオフ− 銀行と上手くつきあう法  

 @金融機関の行方

 混乱、見えない状況が続く日本経済の中、金融機関の動向は一層厳しさを増すばかりである。以前の合併は規模の拡大、利益の追求のためであったが、今回はやむを得ない合併である。再編が実を結ぶには10年以上かかる。もし、付き合い銀行が破綻したら?なかなか受け皿銀行が見つからないばかりか、整理回収機構へいく可能性が充分にあるので取引銀行に対して常に関心を払っておく必要がある。

 

A銀行再編が中小企業に及ぼす影響と対応策

  いまや中小企業は、過去の金融機関取引の幻想や依存心を捨てて1人の経営者として1対1で、自らの理論武装と実践により金融機関取引の再構築、また新たな資金調達パイプの構築を図らなくてはならない。
 都市銀行は中小企業によって利益を得ているにも関わらず、不良債権処理の一環として、切る時はすっぱり切る、弱小債務者の切捨てを加速するため大きな銀行と付き合っているからと言ってメリットがあるとはいえない。つまり自分を大事にしてくれる銀行と付き合わないといけない。
 メインバンクとは銀行の捉え方であって、こちらがそう考えていても銀行が同じように考えているとは限らない。自分の丈に合った銀行と付き合うこと。
 昔の銀行はどんな係りもいたが、今は機械だけが動いていたり、融資係がいなかったりする。店は残るか、融資係は残るか、担当者に確認して、銀行の構造改革を把握すること。
 商工中金、中小公庫の窓口は丁寧なので、相談を申し出れば話を聞いてもらえる。政府系金融機関の利用をおすすめする。

 それではどんな銀行を選んだらよいのかというと、『身の丈に合った銀行』である。10年先に10億円必要な会社は、信用金庫と付き合っていてもだめです。貿易関係の会社は都銀とつきあうのが無理としても、目先の仕事の段取りからでも金融機関を選んでいく必要がある。


Bペイオフ対策

 預金者は1千万以上なければ問題はないが、一番良い商品は『限度利息無しの郵便局振替専用口座』である。
 金融機関が破綻さえしなければ、ペイオフなんて関係ない。金融機関には、内部情報、情報開示、ディスクロージャーの冊子を作って置いてある。それを一読し、よりよい金融機関との関係を構築し、ペイオフに備えて頂きたい。

 
M・N

 


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