経営研究会が開催されました
第189回経営研究会
≪日 時≫ 令和7年4月22日(火)
≪講 師≫ 株式会社Athena Technologies 代表取締役CEO 阿部 武 氏
≪テーマ≫ 生成AI革命の最前線 ―社会実装の現在地と2025年を読み解く
1. 生成AIの業務活用と統合管理の重要性
生成AIを事業の中核に据える京都のAIスタートアップ・Athena Technologiesの阿部CEOが講師として登壇し、企業におけるAI活用の現状と未来像について実践的な観点から解説しました。
冒頭では、自社開発のAI統合基盤「アテナプラットフォーム」が紹介されました。企業内では、部門ごとに多数のAIアプリケーションが乱立しがちですが、これらを一つのプラットフォームで統合管理することで、セキュリティリスクや運用の複雑さを抑え、効果的なAI活用が可能になると説明されました。特に、プロンプトインジェクションや機密情報の漏えいといった課題をプラットフォーム側で吸収できる点が、導入現場で高く評価されているそうです。
2. マルチモーダルAIとスケーリング則のインパクト
続いて、AI技術の進化の方向性として、「マルチモーダル化」が取り上げられました。従来のテキスト生成にとどまらず、画像・音声・動画など複数のモードを横断的に扱う能力が求められており、既にその実現が進んでいることが強調されました。
さらに、「スケーリング則」と呼ばれる法則に基づいて、モデルのパラメータ数・学習データ・計算資源が指数関数的に拡大している現状を示し、これをそのまま延長すると2027年頃には人間レベルの汎用人工知能(AGI)に到達する可能性があると述べられました。大手テック企業がGPUなどの計算資源を大量に確保している背景にも、この将来的な到達点への競争意識があるとのことです。
3. 実務を担う「AIエージェント」の登場
今回の研究会の中心的なテーマは、「AIエージェント」の登場とその活用でした。AIエージェントとは、従来のチャットボットのような単一の質問応答にとどまらず、①目標から自律的に行動し、②タスクを論理的に分解して計画を立て、③人間との対話を繰り返しながら進捗を報告し、④必要に応じて検索・RPA・コード生成など外部ツールを自動的に呼び出すといった高度な機能を備えた存在です。単なる便利なAIではなく、組織の一員として業務を自律的に遂行できる存在であり、今後のAI導入において重要な位置を占めると説明されました。
4. 業務事例とコストメリット
AIエージェントの活用事例としては、化学プラントにおける熟練工のノウハウ継承支援、特許や科学論文のレビュー作業の自動化、建設設計書の内容チェック、製品検査報告のドラフト作成、さらにはコールセンター業務やプログラミングの自動代行などが紹介されました。これらを複合的に活用することで、月額数万円のコストで「AIエンジニア」を雇ったのと同等の成果が得られる可能性があると、コスト面の優位性も示されました。
5. 「ハイサイクル企業」への転換とデジタル人材の育成
組織的なAI活用を成功させるためには、「ハイサイクル企業」への転換が不可欠であると述べられました。これは、顧客データを集めるマーケティングループと、その知見を製品開発に反映させる実装ループを高速で回すことで、成長を加速させるというものです。こうした企業になるためには、既存人材にIT・AI・Web開発のデジタルスキルを付与し、個人の経験を組織の知恵へと昇華させる仕組みが不可欠だと強調されました。
いかがでしょうか。上記は携帯電話でのセミナー録音をAI文字起こしツール「Notta」で文字起こしをし、ChatGPTに要約させたものにわずかに手直ししたものです。個々の用語は見慣れないものが多いですが文章としては自然です。今後のAI技術の動向からは目が離せません。
税理士・米国公認会計士 安部佑樹
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